世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
- 作者: 山口周
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
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同世代の山口周さん。分かり易くて学びが大きい。
p86チェスの実力の差は、緻密に手を読んでいくと思考の粘りにあるのではなく、直感的にスジの良い手を思い浮かべられるかどうか、という点にこそ現れるというのがグルートの結論でした。
p104 アップルが提供している最も大きな価値は「アップル製品を使っている私」という自己実現欲求の充足であり、さらには「アップルを使っているあの人は、そのような人だ」という記号だからです。
p119 言い換えると、イノベーティブなアイデアがあり、それをもとに製品・サービスをつくったとしても、機能、デザイン、ストーリーの3つを認知させなければ、世の中に受け入れられないのである。(濱口秀司『「デザイン思考」を超えるデザイン思考』
p140 デイビッド・マクレランドの社会性動機
1.達成動機=設定したゴールを達成したいという動機
2.親和動機=人と仲良くしたいという動機
3.パワー動機=多くの人に影響を与えたい、羨望を受けたいという動機
p181 ハンナ・アーレント「悪の陳腐さについての報告」
p212 「アート」と「サイエンス」が、個人の中で両立する場合、その個人の知的パフォーマンスもまた向上する
p232 哲学から得られる学び
1.コンテンツからの学び
2.プロセスからの学び
3.モードからの学び
p244 谷川俊太郎「朝のリレー4」
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ