p27 アレックス・インケルスとダニエル・レヴィンソンが発表した世界の国々に共通の3つの問題(1954年)
1 権威との関係
2 自己概念 とくにa個人と社会の関係、b男らしさと女性らしさについての概念
3 葛藤の解決の仕方ー攻撃性のコントロール及び感情の表現方法を含む
p63 表3-3 権力格差の小さい社会と大きい社会の基本的な違い
p76 1988年12月23日、スウェーデン王、カール・グスタフは小切手で買い物ができず、1クラウン硬貨に刻まれた顔を見て店員はしぶしぶ受け付けた。>Low PDI
p95 集団主義的な文化のもとではたいていの場合、他人と面と向かって対決することは、無作法で望ましくないことであると考えられている。>Low IDV
p96 インドネシアでは、(「いやです」と答えても、結果的に指示に従った弟よりも)形式的な調和を保って父に反論しなかった兄が評価された。
p99 「面子を失う」という意味での「losing face」という英語は、中国語から入ってきた表現である。
p114 アメリカ人ならばたいてい、個人主義こそ善であり、アメリカの偉大さの根幹であると思っている。一方、中国の亡き毛沢東主席は、個人主義を害悪であるとみなした。
p150 歴史的に見ると、経営はアングロ・サクソン的な概念であり、男性らしさの強いイギリスやアメリカで発展したものである。(中略)アメリカの古典的なリーダーシップに関する研究では、「仕組み作り」対「配慮」、「業績への関心」対「人への関心」という二つの次元を区別していた。どちらも企業が成功するためには等しく重要なものだが、両者の最善のバランスは、男性らしさの強い社会と女性らしさの強い文化で異なる。
p189 不確実性を避ける文化では清潔さに対する信仰が強く、
p204 不確実性の回避が強い:保守主義、法と秩序を重んじる、若者に対して否定的
p289 ファヨールと同じフランス人であるアンドレ・ローランは、1981年の論文で、フランス人の管理職は一人の従業員が二人の上司のもとに置かれるという提案に強く反対するが、スウェーデンやアメリカの管理職は、この点にほとんど疑念を表さないという調査結果を示している。
p307 マクレガーによるX理論とY理論の区別は東南アジアには不適切である。互いに排他的な選択肢は、調和という規範を乱してしまうため、東南アジアの文化に沿った区別には不適切であろう。理想的なモデルは、対象にありながらも互いに補完的で調和のとれたものになるであろう。これをT理論とTプラス理論と呼ぶことにしよう。Tとは「伝統(tradition)」のことである。
p375 残念ながら、どの社会においても、地元の一部の人々(政治家、警察官、ジャーナリスト、教師や近隣住民)は、自民族中心主義や人種差別主義の哲学にとらわれており、「違うということは、危険なことだ」という不確実性回避の傾向を露骨に表明することで、移民たちとの適応をめぐる諸問題を悪化させてしまっている。
p384 エアバス(ヨーロッパ)はパイロットによる干渉を最小限に抑え、飛行機が自動的に飛ぶように設計されている。一方、ボーイング(アメリカ)のデザインは、パイロット自由な判断やパイロットと飛行機との相互作用を想定している。エアバスのコックピットは不確実性を回避しようとする文化が生み出したデザインである。一方、ボーイングのコックピットはパイロットが飛行機を操縦しているという実感を持ちたいという欲求に配慮し、それを尊重している。