能力の成長

 

 p21 要約すると、現在、日本で普及しつつある発達心理学の知見は、キーガン、クック=具ロイター、トーバートの3名の発達理論であり、大きなくくりで言えば、彼らの理論は人間の器に着目したものである、ということです。

p29 自分が伸ばしたいと思う能力を列挙し、どのような理由や必要性からその能力を伸ばしたいかをノートに書き出す。

p30 この比喩でいえば、キーガンたちの成長モデルは、PCのOSに関するものであり、1つのOSに備わっているバージョンについて説明した理論だといえます。

p51 能力の「環境依存性」

p57 能力の「課題依存性」

p96 「フラクタル」な能力の成長:点、線、面、立体

p111 能力の成長に関する5つの法則:統合化、複合化、焦点化、代用化、差異化

p180 「なぜ私たちの能力は思っているほどに高まらないのか?」という点について指摘しておきましょう。それは、知識の圧倒的な欠落と言語化の鍛錬不足が原因であることが原因であると考えられます。

p194 カート・フィッシャーのレベル尺度でいえば、レベル11の「抽象システムレベル」がプロフェッショナルに求められる最低限のレベルだということになります。

p197 レベル11「抽象システムレベル」に到達するためには、他者の言葉を取り入れることに熱心になることをやめ、情報を単に消費するのではなく、自分の言葉を生み出すことを意識し、情報を生産していく実践に励む必要がある。

p200 キーガンにせよ、フィッシャーにせよ、発達理論に基づいたアセスメントの肝は、発話内容の分析ではないのです。そうではなく、発話構造に着目するというのが、発達理論に基づいたアセスメントの本質なのです。要するに、「何が語られているのか?」を見るのではなく、「何がどのような意味でどのように語られているのか?」を見ることが、発話構造に着目するということの意味なのです。

p217  能力開発を行うためには、開発すべき能力を明確にしなければならない。

p224 「人間の成長のプロセスは、私たちが思っているよりもゆっくりである」ジャン=ジャック・ルソー

p235 「成長至上主義がはびこる現代社会の中では、成長を急かそうとする見えない力が絶えず存在しています。そうした時代の中でこそ、「あえて待つ」という態度を私たちは明確に示したいのです。

p257 マインドフルネス瞑想の本来の目的は、毎日を「深く」生きることにあるのであって、決して毎日を「多く」生きることではない

p294 『己が道、どこまでいっても、問の道』