誤解の心理学

 

誤解の心理学

誤解の心理学

  • 作者:三宮 真智子
  • 発売日: 2017/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 p69 このトップダウン型処理に大きく関与するものとして、解釈の枠組みとなる知識のまとまり、すなわちスキーマ(schema)(Bartlett,1932)がある。

p105 メラビアンの法則は、次のように正確に記述する必要があるというわけです。

感情や態度についての言語表現と非言語表現が矛盾する場合には:

伝わるメッセージ=言葉による表現(7%)+声による表現(38%)+顔による表現(55%)

p117 文脈依存度の高い文化を高コンテクスト文化、低い文化を低コンテクス文化と呼ぶが(Hall, 1976)

p142 メタ認知の一部は、昔から省察(reflection)と呼ばれていた。これは、自らをふり返って熟考することを意味する。哲学者であり、さらに教育学者として学校教育に関心の高かったデューイ(Dewey, 1933)は、省察という概念を好んで用いた。彼は、学校教育の中で省察的思考力を育てることが大切であると考え、自ら設立した実験学校において、この考えを教育実践に反映させた。さらに古くは、ギリシアの哲学者ソクラテスの説いた「無知の知」(自分が分かっていないということを知ること)が、まさにメタ認知であったと考えられる。(メタ認知概念の歴史的背景や詳細は、三宮(2008b)に詳しい)。すでに古代から、人々はメタ認知を働かせていたのである。

p156 感情的共感(emotional empathy)と認知的共感(cognitive empathy)