これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケルサンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 文庫
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p15 ソーウェルによれば、便乗値上げが非難されるのは「人びとがたまたま慣れている価格よりかなり高い場合」だという。しかし「人びとがたまたま慣れている価格よりかなり高い場合」だという。しかし「人びとがたまたま慣れている価格のレベル」が道徳的に不可侵だなどということはない。
p84 「(私の)独立は、絶対の権利である。自分自身について、自分の体と心について、人は主権を持っているのである」ジョン・スチュアート・ミル
p339 アリストテレスにとって、政治の目的は経済交流の円滑化や国の防衛だけではない。すぐれた人格の涵養と、善き市民の育成でもある。
p409 アメリカのGNP(国民総生産)はいまや年間八千億ドルを超えています。しかし、そのGNPの内訳には、大気汚染、タバコの広告、高速道路からの多数の遺体を撤去するための救急車も含まれています。玄関のドアにつける特製の錠と、それを破る人たちの監獄も含まれています。セコイアの伐採、節操なく広がる都市によって失われる自然の驚異も含まれています。ナパーム弾、核弾頭、都市の暴動で警察が出動させる装甲車も含まれています。それに、、、子供たちにオモチャを売るために暴力を美化するテレビ番組も含まれます。それなのに、GNPには子供の健康、教育の質、遊びの喜びの向上は関係しません。詩の美しさ、結婚の強さ、市民の論争の知性、公務員の品位は含まれていません。われわれの機知も勇気も、知恵も学識も、思いやりも国への献身も、評価されません。要するに、GNPが評価するのは、生き甲斐のある人生をつくるもの以外全てです。そして、GNPはアメリカの全てを我々に教えるが、アメリカ人であることを誇りに思う理由だけは、教えてくれないのです。(1968年3月18日 カンザス大学でのケネディ大統領の演説)