両利きの経営

 

両利きの経営
 

p007 「探索」と「深化」

p072 漸進型イノベーションのために必要なのが、優れたオペレーション上の専門知識、規律のとれたアプローチ、迅速な問題解決、短期集中といったスキルだ。

p095 ベゾスは顧客経験を高める改善を徹底的に重視し、自社が定める価値観の中で明確に打ち出してきた。それは、顧客満足へのこだわり、倹約の徹底(飛行機ではビジネスクラスに乗らない)、行動偏重、オーナーシップ、社内政治の禁止(他の人のアイデアを横取りしない)、事実に基づく反論スタイル(パワーポイントの使用を認めず、提案とアイデアは六ページ以内の文章にまとめる)、といった価値観だ。

p097 物流はコモディティか、コアコンピタンスかという重要な戦略的な問題が浮上した。コモディティだとすれば、なぜ投資するのか。サードパーティのベンダーが持つ機器やソフトウェアを利用すればよいではないか。これに対する判断は、アマゾンが本当に顧客に価値を提供するつもりなら、物流が組織能力であるべきだ、というものだった。

p105 「誰かを雇用するたびに、その人が次の雇用者のレベルを引き上げなくてはならない。そうすれば、全体の人材プールは常に向上していく」(アマゾン)

p107 ベゾスは語る。「ゆっくりと安定的に進んでいけば、時間とともに、どのような挑戦にも食い込んでいける。(中略)私がすべてのアイデアを持っているわけではない。それが私の役割ではない。私の役割は、イノベーションの文化を構築することだ」と。

p280 成功事例から抽出された、両利きの経営を実践するための四つのポイントとして、戦略的意図、経営陣の関与・支援、組織構造、共通のアイデンティティを挙げている。

p381 失敗の原因は、資源や戦略的インサイトがなかったからではない。むしろ、明確に異なる二つのゲームを同時にできなかったから、という場合が多かった。